高音質のCDというのがあるらしいことを知りました。
ネットでいろいろ情報を探しても、感情論ばかり出てくるので、いろいろ試したことをまとめてみました。
■いきさつ
事の発端は、ある日の新聞の広告。こんなのを見つけた。
SHM-CD??
新しいCDの規格か?そんなのに対応したプレイヤーなんて持っていない・・・。
なのにそんなSHM-CDが付いた雑誌なんて誰が買うんだろう。
とおもったら、SHM-CDはどんなプレイヤーでも「高音質で再生できる」ものらしい。
あやしい。すごくまゆつばな気がする。デジタルなんだから、そんなはずない・・・。
私もデジタルを学んでデジタルで飯を食ってる身。にわかには信じられない。
高音質なものといえば、SACDというのは知っている。スーパー・オーディオ・CD。これは音声のデータ量がCDよりもはるかに大きいから、高音質なのは当然。でも再生にはSACDに対応したプレイヤーが必要で、高価。
まさか普通のプレイヤーで高音質になんてなるわけない・・・。
でもまぁ聞き比べてみないと、なんとも言えないなぁと思ってたら、ちょうどよいのを見つけた。
全く同じ音声データが入った「普通のCD」と「SHM-CD」のディスクが入っていて、聞き比べができるというもの。
ついでに、「高音質CD」としては他にもBlu-Spec CD、HQCDというのがあるらしい。
それも聞き比べができるものがあったので、買ってみた。
■音楽CDのしくみ(ざっくりと)
CDの裏のテカテカしている面をよーく見ると、CDの内側に同心円状に点線の溝が並んでいることが分かります。
ごめんなさい、目では見えません。電子顕微鏡で見えるレベルです。
この点線状の溝は、くぼんでいるところとそうでないところがあって、くぼんでいるかいないかで、「0」と「1」を表現しています。CDはデジタルで音を記録するので、この凹凸によってCD上に「0」と「1」を記録しているのです。
この溝は透明なプラスチックに彫られています。溝にほこりや傷が付いてはいけないので、CDの内側にあります。
そしてCDプレイヤーからレーザー光をあてて溝の凹凸を読むので、レーザー光を反射させるための「反射膜」があります。だからテカテカしているんですね。
CDをざっくりと三枚おろしにすると、
(表)ラベルのある面→反射膜→透明なプラスチック(裏)
ということになります。
つまり、CDには、透明なプラスチックに彫った穴が並んでいて、反射膜で反射させているのです。
■「高音質CD」がやっていること
音楽CDとして普通のプレイヤーで再生するためには、SACDのようにデータ量を増やすわけにはいかないので、各社それ以外のところに工夫をしています。
・SHM-CD:「透明なプラスチック」をもっと透明にしてみた
参考:http://shm-cd.co-site.jp/about/index.html
・Blu-Spec CD:「透明なプラスチック」に彫る溝を、くっきりはっきりしてみた
参考:http://www.blu-speccd.jp/about.html
・HQCD:「透明なプラスチック」をもっと透明にして、反射膜をもっとテカテカにしてみた
■本題
ということで、聞き比べてみた。
再生環境
・プレイヤー BOSE PLS-1510
・スピーカー BOSE 101IT
・被験者 私(音楽に疎い)
■聞き比べ
聞き比べ対象は、聴き比べ体感! Blu-spec CD×CD クラシック編。
まずは普通のCD(レーベルが黒かったので、以下ブラックCD)を聞いてみた。
ブラックCDが、ひどすぎ・・・。低音も高音も、物足りない。まるでフィルターでもかかっているよう。スピーカーに膜でも張ったかのような。
そしてBlu-Spec CDを聞いてみた。
え?まじ?
というくらい、全く異なっていた。 ∑( ̄0 ̄;
なんということだ!!
すごくクリアで、低音も高音もしっかりしてる。
素人でもこんなに違いが分かるなんて。
ソニーミュージックの普通のCDはこんなにひどいのか?と思うほど。
これは「聴き比べ体感! Blu-spec CD×CD クラシック編」の「普通のCD」(ブラックCD)がひどいに違いない。ということで、同じ曲のほかのCDと比べてみた。
たまたま手元にあったのが、これ。(以下、CANYON版)
ということで「ショスタコーヴィチ 交響曲第5番第4楽章」で順位をつけてみると、
Blu-Spec CD > CANYON版 > ブラックCD
となった。ひどいぞ、ブラックCD(笑)。
デジタル云々は、今後検証しよう。
ここで言える事は、「音に差が出るのは間違いない」ということ。
ちなみに、「これがSHM-CDだ!クラシックで聴き比べる体験サンプラー」 は、それほど大きな差は感じられず(普通のCDの質もよかった)。SHM-CDも確かによいような気がする。気がするだけかもしれないが。
なお、HQCDの聞き比べCDは、まだ届いていないので聞いてません(苦笑)。
ということで、後編に続く。