エンジニアらしき人のひとりごと

100人中100人は興味を示さなくても、100万人居たら1人くらいは面白いと思ってくれそうな、重箱の隅をほじくってみるブログ。

黒電話をスマホの子機(Bluetoothヘッドセット)に!⑩

ラズパイ(Raspberry Pi)を使って、黒電話をスマホの子機にしようという、工作をしています。

過去記事は、こちらから。
tokieng.hatenablog.com

前回までで、回路に若干の改良の余地を残しながらも、ハードとソフト(KurodenwaPi)が出来上がった!

ということで、今回の作品の紹介だ!

屋外でも発信できます

ラズパイは、スマホ用のモバイルバッテリーを電源として使えるので、外に持ち出してみたよ。

黒電話(600-A2型)を持って散歩してみた①

もちろん、屋外でも着信できます


黒電話(600-A2型)を持って散歩してみた②

トーン信号も送れます

今どきの普通の電話機は、「1」~「9」と「0」「#」「*」のボタンがあって、話しているときにそのボタンを押すと、「プー」とか「ポー」とか音が出せるよね。あの音がトーン信号。
クロネコヤマトとか日本郵便の再配達依頼を、電話で申し込んだことがある人は分かると思うけど。

で、あの再配達依頼は、トーン信号が出せる電話機じゃないと手続きができないから、黒電話からは無理。
だって黒電話だとトーン信号が出せないんだもん(黒電話は、トーン信号が発明される前の電話機だからね)。

だからせっかくなので、トーン信号を出せるようにアプリ作ってみたよ。

その動画がこちら。

Raspberry Pi内蔵の黒電話で、トーン信号を送信

フックを短く押すと、「*」の音が出るの。
(だって、日本郵便の再配達依頼の電話サービスは、最初に「*」を押せって言われるからねー)


黒電話なのになぜそんな音が出せるのかというと、実はトーン信号を作っているのは、黒電話でも、ラズパイでもなくて、Bluetoothで接続したスマホだからなのだ。

この記事の2回目で紹介したように、ラズパイ↔スマホ間は、BluetoothHFPというプロファイルで通信しているんだよね。
tokieng.hatenablog.com

で、HFPには「1のトーン信号を相手に伝えよ」とかのコマンドがあるんだ。
なので、

黒電話で1をダイヤルする
→ ラズパイがそれを検知する
→ ラズパイがスマホに「1のトーン信号を相手に伝えてね」と指令を出す
→ スマホが、電話で話している相手に「プー」という音を鳴らす

という仕組みで、トーン信号を出せるのだ。


よし、日本郵便の再配達を、黒電話から依頼するぞ!
・・・と思ったけど、僕宛の贈り物ってないからなぁ。再配達の依頼もできないやw

ほかにも!

せっかくなので、ラズパイを生かした機能欲しいよねー。
でも電話機でできる機能って・・・。

あ、旅館やホテルの客室にある電話で出来る、あれだ!

モーニングコール!

というわけで、その機能もKurodenwaPiに入ってるよ!
黒電話から 7番 に電話してみてくださいな o(^-^)o


Raspberry Pi内蔵の黒電話で、モーニングコール

0700とダイヤルしたらちゃんと「7時ちょうど」と言うし、0815とダイヤルすると「8時15分」と言ってくれる。
これは、ダイヤルされた数字をもとに、音声合成しているから出来る技なのだ。
ラズパイならではだね!

この音声合成は、以前紹介した AquesTalkPi によるもの。
ラズパイは、いろんな人が作ったいろんなソフトを使うことができるから、いろんなことができるんだねー。ありがたいよね。


旅館っぽさを醸し出すために、番号案内のプレート作って置いてるよ。
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え?2番?w



本シリーズの全記事は、こちらから。
tokieng.hatenablog.com

次回予告

さて、回路の改良かなー。
またトランジスタの勉強だー。