この記事は後編です。まずは前編を。
・・・前編公開から、だいぶ長いこと空いてしまいましたがw
■パソコンで読み取り比べ
「聴き比べ体感! Blu-spec CD×CD クラシック編」
の、Blu-Spec CDと、普通のCD(以下、ブラックCD)とを、パソコンに取り込んで(WAV形式)データ比較してみた。
この2つは、あくまでも「CD」の製造に関する違いのみのはずで、データとしては全く同じはず。
読み取り環境(自作PC)
・BD/DVD/CDドライブ Pioneer BDR-207M (SATA接続)
・読み取りソフト Cyberlink Power2Go (BDドライブについていた)
・比較ソフト WinMerge
比較方法
1. Power2GO で各CDの各トラックを、WAVファイル(CD上のデジタルデータそのまま)として取り込む
2. Blu-Spec CD と ブラックCDを、WinMergeで比較
比較結果
1曲目~10曲目まですべて、差分なし。
ということで、データとしては全く同一!(結果①)
そして、取り込んだ2つのWAVファイルを、パソコン上で聞き比べてみた。
つまり、CDを直接パソコンで再生するのではなく、パソコンに保存したデータをパソコンで再生してみた。
うーん、差は感じられず。
■パソコンで聞き比べ
デスクトップパソコンで、両方のCDを、CDから直接再生して聞き比べしてみた。
・BD/DVD/CDドライブ Pioneer BDR-207M (SATA接続(デジタル))
・再生ソフト Windows Media Player (Windows7)
・スピーカー BUFFALO BSPKMA01SVA(安いスピーカーです)
→Blu-Spec CD と ブラックディスクに大きな差はなし。(結果②)
(このスピーカーで音楽を楽しむのに難ありかw)
ここまでを整理すると、
・Blu-Spec CDとブラックディスクは、CDプレイヤー(PLE-1510)で聞くと音に違いがあった。
・2つのCDに記録されているデータは全く同じ
・全く同じデータをパソコンで再生(音に変換)すると、音に違いは感じられない
■仮説
以下の2つの仮説を考えた。
仮説1. CDプレイヤー(PLS-1510)のアンプ部が悪いから、スピーカーから出る音に違いが出る。
仮説2. CDドライブとアンプ部の組み合わせで、音に違いが出る
■仮説を検証する
仮説1が正しいかどうかを確かめるために、以下の環境で聞き比べした。
○BDレコーダー+PLS-1510
・BDレコーダー Panasonic DMR-BW770
・アンプ BOSE PLS-1510
・スピーカー BOSE 101IT
BDレコーダーとアンプは、光デジタル端子にて接続。
CDはBDレコーダーで読み込む→光デジタルケーブル経由で音信号をアンプに渡す→アンプが音に変換する。という流れ。
もしアンプが原因だとしたら、この環境でも音に差はあるはず。
結果、Blu-Spec CD と ブラックディスクに大きな差はなし。(結果③)
→仮説1は成り立たず。
ということは、もう仮説2しかない。
言葉を変えると、CDドライブがCDデータを読み取り、アナログにする過程で音が変わった、と。
ここで、CD製造方法の違いが効いてくることになる。つまり、
裏面の凹凸が読み取りづらいCD→CDプレイヤーは、読み取りを再度試みる(同じところを読み直す)&補正処理を行う→CDプレイヤー内部で電気的ノイズが発生する→音声のアナログ信号にノイズが乗る→ノイズで音が悪くなる
裏面の凹凸が読みやすいCD→CDプレイヤーは、苦労せずに音を鳴らすことができる→電気的ノイズが少ない→ノイズ少ないので音が良いまま
という効果が表れていると推測される。この推測は、これまでの結果と一致する。
・Blu-Spec CDと、そうでないCDは、同じCDプレイヤーで再生したときに、音が変わる(前編より)
・デジタルデータとしては全く同一(結果①より)
・デスクトップパソコンの場合、筐体が大きいため読み取り時のノイズの影響が小さくなり、2種類のCDの音は変わらなかった(結果②より)
・CDを読み取るドライブ(プレイヤー)を、アンプ部(デジタル→アナログに変換する)と分離すると2種類の音は変わらなかった(結果③より)
■結論
CDは、製造方法の違い(材料や製法など)によって、音に影響がでるケースがある。
そのケースとは、CD読み取りの過程で発生したノイズがアナログ信号に影響がでるような機器で再生する場合。
そういえば、安いラジオにスマホを近づけると、ラジオのスピーカーから、「ピー」「キー」とか雑音が出ることがある。デジタル機器の発するノイズは、無視できない存在なんだなー。